2018/01/13
サラリーマンの年収と手取りの差!社会保険料と税金の種類まで紹介!
みなさんは自分の年収を把握していますか?
年収で見れば余裕があるものの、生活には余裕を感じないですよね。もちろん、年収と手取りに差があることは知っていても、具体的に手取り額を把握している人は多くありません。手取りは、年収から社会保険料などの税金が天引きれた額になります。
今回は、給与の天引きの多くを占める年収と手取りの差、税金の種類や計算方法についてご紹介していきます。
目次
年収と手取りの目安
年収と手取りの早見表
年収300万円の人は税金で60万円も支払ってんすか〜!
そうですね、年収の約20%です。
年収600万円の人は税金が130万円越えっ!!これは恐ろしいっすね〜。
年収と手取りの関係はあくまで目安です。手取りに大きく関係するのは、社会保険料と税金です。
この2つの金額は、結婚しているか、子供がいるかで手取りも変わってきます。
なるほど〜。結婚してるか、子供がいるかで変わってくるんすね〜。
天引きされる税金3種
社会保険料
給与から天引きされているものの1つが社会保険料です。
一般的に、社会保険とは次の5つを指します。
- 健康保険
- 厚生年金
- 雇用保険
- 介護保険
- 労災保険
こんなあるんすか〜。知らなかったっす。
社会保険とは、『国民の最低限の生活を保障するために設けられた公的な保険制度』のことです。
確かに、突然の病気や失業、労災、何があるかわからないっすもんね〜。
詳しい、計算方法は次項に説明します。
所得税
次は所得税です。
所得に応じて課せられる税金っすね〜。
そうです。この制度を累進課税と言います。
年収が多い人ほど多くの税金を納めなければならないってことっすよね〜。
そうです。所得税には、控除の項目もあるので、家族構成などによって、支払う税額が変わります。
住民税
天引きされる税金の3つ目は、住民税です。
住民税ってことは、自分の住んでいる都道府県に払われるんすか〜?
いい質問ですね。住民税は、住んでいる都道府県と市区町村に支払われます。
なるほど〜。ってことは東京みたいに人口が多いとすごい税金が集まりそうっすね〜!
そうですね。そのような格差を是正するために、都道府県や市区町村の自治体によって
税率などを変えることができます。そのため、住民税は住む地域によって、上下することがあります。
なるほど〜。地方自治体は税率などを変える権限を持ってるんすか〜。
そうです。
その理由は、ゴミ処理や福祉、教育などの地域を支える財源の一部となるため、その地域により変化するということです。
社会保険料
まずは、社会保険についてです。各保険料は、標準報酬月額×各保険料利率で設定されています。
標準報酬月額とは、毎月の給料をある一定の範囲で区切り出した平均値です。
額面の給与が10万円の場合は、報酬月額93,000~101,000円に適するので標準報酬は98,000円となり、
これに利率をかけて保険料を設定していきます。
自分の月給を報酬月額の枠に当てはめるんですねぇ〜〜!
今回は年収400万円、月給30万円を想定しているので、
報酬月額290,000~310,000に適し、標準報酬は30万円になります。
へえ〜、こうやって見ていくんすね。
ちなみにボクの標準報酬は、ヒ・ミ・ツっすからねぇ〜!
以下に、各保険料の利率を挙げていきます。
それをもとに、月々の社会保険料を求めていきましょう。
①健康保険
健康保険といっても、その種類は様々で、自営業の方や無職の方が加入する国民健康保険や、公務員の方が加入されている共済組合などがあります。
例えば中小企業に勤めているサラリーマンの方は、全国健康保険協会(以下協会けんぽ)に加入しており、
大企業に勤めている方は、その企業によって運営されている健康保険組合に加入しています。
そうなんですねぇ〜。
やっぱり保険料とかも違うんすか〜?
鋭いですね。保険料は、加入している組合によって異なります。
東京都の協会けんぽの保険料は、月額標準報酬に9.97%をかけた額が保険料となります。
ただし会社と折半するので、実際の負担は4.985%となります。
今回は東京都の協会けんぽの保険料率を参考にしますが、運営する自治体によって保険料率は変わってくるので注意が必要です。
年間では
・400万円×4.985%=199,400円
となり、約20万円が健康保険料として天引きされています。
②介護保険
40歳以上の方は、健康保険料に加えて、介護保険料も支払うことになります。
保険料率は、1.58%で、こちらも会社と折半するため、半分の0.79%です。
健康保険といい、介護保険といい、会社が折半してくれるのは助かりますねぇ〜。
そうですね。今回は、年収400万円の40歳以上のサラリーマンを想定すると
・400万円×0.79%=31,600円
となり、約3万円が40歳から介護保険料として天引きされます。
③厚生年金
厚生年金の保険利率は一律で17.828%です。
これも同様に会社と折半するので自分の負担は8.914%となります。
会社の力、恐るべしっすね。。
厚生年金の保険料は
・400万円×8.914%=356,560円
となり、年間約35万円も天引きされています。
④雇用保険
雇用保険料は、事業によって異なります。
サラリーマンの場合、一般の事業にあたるので、事業主が給与の0.0085%、労働者が給与の0.005%を負担します。
雇用保険料は標準報酬月額ではなく、賃金総額(ボーナスや、通勤、深夜手当を含む)に利率をかけます。
今回は労働者で一年間のため、年収をかけて、
・400万円×0.005%=20,000円
の負担となります。
⑤労災保険
社会保険の1つですが、会社が全額負担してくれるので、個人の給料からは天引きされていません。
全額っすかぁ〜!うらやましいっすね〜。
これらの5つの保険料の合計は607,560円です。
400万円の年収から60万円以上の社会保険料が天引きされていることがわかります。
注意点としては残業などで毎月の給与は変動しますし、月給以外のボーナスなどもあるので、ここから多少の増減はあります。
今回は東京都の協会けんぽを参考にしましたが、組合によっても保険利率は変わってきます。
しかし、どの自治体でもそこまでの大差はなく、平均年収400万円のサラリーマンの社会保険料は約60万円にはなるでしょう。
以上5つが社会保険料の詳細です。
うわ〜、、難しいっすねぇ〜〜。
社会保険料だけでこんなにあるんすか〜。。。
所得税
さて、所得税では家族や扶養人数により、税額は変わります。
配偶者や扶養しているものがいる場合には、納める税金が少なくなるんです。
そうなんっすね〜。
では、課税対象となる金額の計算方法を見ていきましょう。
課税所得の計算方法
所得税は課税対象となる金額( 課税所得 )に利率をかけて求めます。
課税所得の求め方は以下の通りです。
か、かなりややこしいっすね〜。
では、1つずつ、説明していきましょう。
控除①給与所得控除
給与所得控除は、雇われている人たちが無条件に受けられる控除です。
税金がかかる金額を減らしてくれるんっすね〜!
そうです。この控除も所得によって異なるので、下記図でいくら控除されるのかをご確認ください。
具体例(給与所得控除)
年収400万円を想定すると、
・400万円×20%+54万円=134万円 (=給与所得控除額)
ってことは、134万円が控除になるってことっすね〜!
そうです!
ってことは〜。
・400万円-134万円(控除分)=266万円
課税対象が266万円ってことっすか〜??
お〜、そうです!もし扶養家族がいれば、その分の控除も適応されます。
控除②その他の所得控除
その他の所得控除ってなんすか〜??
その他の所得控除とは、大きく5種類あります。
5種類っすか〜?
はい、それぞれ5種類をまとめて説明しますね。
社会保険料 、先ほどお話した給与から天引きされていた物で、その額がそのまま控除額となります。
生命保険料 、年間8万円以上の一般生命保険料・介護医療保険料、個人年金保険料を払っている場合、一律4万円が控除されます。
基礎控除 、扶養家族がいない独身世帯であっても一律で38万円の控除を受けられます。
配偶者控除 、配偶者が年収103万円以下であれば、38万円を受けられます。(2018年からは、配偶者控除制度が改正されます。)
扶養者控除 、扶養している者の年齢が16歳以上の場合38万円、年齢が19歳以上23歳未満の場合に63万円受けることができます。
今回は、主婦1人、16歳以上19歳未満の子供が1人いる場合を想定してみます。
上で説明した控除額を足していきます。先ほど算出した社会保険料61万と他の控除額を計算すると179万円になります。
具体例(その他の所得控除)
以上のようにその他の所得控除が求められ、次に給与所得控除後の金額から差し引きます。
266万円-179万円=87万円(課税所得)
ってことは、87万円が課税所得っすか〜?
正解です!いいですね〜。
所得税率の早見表
さて、最後になりましたが、所得税は「課税所得に税率を掛け合わせて出た金額」です。
なるほど〜。課税所得を出して、それに税率をかけるんすね〜。
さて今回は、課税所得87万円で早見表195万円以下に当たるので、税率は5%です。また控除額は0円です。
したがって、87万円×5%=43,500円が所得税となります。
お〜やっと出ましたね〜。長かったっすね〜。
43.500円が年収400万円の人の所得税です!
住民税
住民税の計算方法
それで、住民税の計算方法ってどうやるんすか?
住民税の計算方法は以下のようになっています。
調整控除額?これはなんですか?
住民税の計算の際に使います。
簡単に言ってしまうと、所得税と住民税の間に存在する控除額の差を無くすための控除です。
なるほど〜。
住民税計算の具体例
では、具体的に住民税の計算をしてみましょう。
お願いします〜〜!
先ほどの所得税と同様、年収400万円を想定してみましょう。課税所得は87万円です。
配偶者とお子さんがいる方っすね〜。
そうです。例えば、東京都の新宿に住んでいたとすると、
新宿区の均等割はそれぞれ都民税1500円、特別区民税3500円になります。
これで都道府県民税と市区町村民税が出せるってことっすね〜!
いいですね!都道府県民税か市区町村民税は以下のようになります。
では次に調製控除の計算方法をご紹介します。
調整控除の計算方法
先ほどもお伝えしましたが、調整控除は所得税と住民税の間に存在する控除額の差を無くすための控除です。
で、どうやって計算するんすか〜?
課税対象額が200万円以上と以下によって2つの方法があります。
計算方法は以下の通りです。
先ほどのと同様、年収400万円、主婦1人、16歳以上19歳未満の子供が1人いる方を想定してみます。
課税所得が87万円なので、200万円以下の控除計算方法ですよね!
そうですね。控除額は、以下の社会保険料控除「61万円」、
配偶者控除「33万」、扶養控除「33万円」、基礎控除「33万円」となり
控除の合計は160万円になります。
ってことは〜、、、
1は435,000円-1,600,000円=0円。
2は43,200-1,600,000=0円
調整控除額が2,500円未満なので、調整控除額は2,500円となります。
まとめ
日本の税金と社会保険料の制度って複雑でいろんなものが引かれるんですね…
消費税や個人保険の保険料などを支払えば、さらに手取りは減ってしまいます。
そうっすよね〜。
これらの税金や保険料を少なくするためには、
以下のような記事で控除をうまく利用したり、無駄な保険に加入していないかの再確認をしていくことが必要でしょう。
教えてもらった計算で、ボクの手取りも計算してみまぁ〜す!
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