2018/02/12
サラリーマンの年収と手取りの差!社会保険料と税金の種類まで紹介!
みなさんは自分の年収を把握していますか?
年収で見れば余裕があるものの、生活には余裕を感じないですよね。もちろん、年収と手取りに差があることは知っていても、具体的に手取り額を把握している人は多くありません。手取りは、年収から社会保険料などの税金が天引きれた額になります。
今回は、給与の天引きの多くを占める年収と手取りの差、税金の種類や計算方法についてご紹介していきます。
目次
年収と手取りの目安
年収と手取りの早見表
年収300万円の人は税金で60万円も支払ってんすか〜!
年収と手取りの関係はあくまで目安ですが、年収の約20%にあたります。
手取りは、社会保険料と税金により変わってきます。
この2つの合計金額は、結婚しているか、子供がいるかで手取りも変わってきます。
天引きされる税金3種
社会保険料
給与から天引きされているものの1つが社会保険料です。一般的に、社会保険とは以下の5つを指します。
- 健康保険
- 厚生年金
- 雇用保険
- 介護保険
- 労災保険
社会保険とは、『国民の最低限の生活を保障するために設けられた公的な保険制度』のことです。
病気や失業、労災などがもし起こった時のための保険です。
所得税
所得税は累進課税制度のため、所得に応じて課せられる税金です。
そのため、年収が多い人ほど多くの税金を納めなければならないということです。
ただ、所得税には控除の項目もあるため、家族構成などにより支払う税額が変わります。
住民税
天引きされる税金の3つ目は、住民税です。
住民税は、住んでいる都道府県と市区町村に支払われるため、都道府県や市区町村の自治体によって
税率が少しずつ異なっています。そのため、住民税は住む地域によって、多少上下することがあります。
地方自治体は税率などを変える権限を持ってるんすね〜。
そうです。その理由としては、ゴミ処理や福祉、教育などの地域を支える財源の一部となるため、その地域により変化するということです。
社会保険料の計算
各保険料金は、標準報酬月額×各保険料利率で設定されています。
ちなみに標準報酬月額とは、毎月の給料をある一定の範囲で区切り出した平均値です。
なので、1ヶ月の給与が10万円の場合は、報酬月額93,000~101,000円に適するので標準報酬は98,000円となり、これに利率をかけて保険料を設定していきます。
例えば、年収400万円・月給30万円であれば、報酬月額290,000~310,000に適し、標準報酬は30万円になります。これをもとに、月々の社会保険料を求めていきましょう。
①健康保険
健康保険といっても、その種類は様々あります。自営業の方や無職の方が加入する国民健康保険や、公務員の方が加入する共済組合などがあります。
例えば中小企業に勤めているサラリーマンの人は、全国健康保険協会(以下協会けんぽ)に加入しており、
大企業に勤めている方は、その企業によって運営されている健康保険組合に加入しています。
それって、やっぱり保険料とかも違うんすか〜?
保険料は、加入している組合によって異なります。
東京都の協会けんぽの保険料は、月額標準報酬に9.97%をかけた額が保険料となります。
ただし会社と折半するので、実際負担は4.985%となります。
今回は東京都の協会けんぽの保険料率を参考にしますが、運営する自治体によって保険料率は変わってくるので注意が必要です。
年収400万円であれば、「400万円×4.985%=199,400円」
となり、年間で約20万円が健康保険料として天引きされています。
②介護保険
40歳以上の方は、介護保険料も支払うことになります。
保険料率は、1.58%です。こちらも会社と折半するため、実質負担はの0.79%です。
健康保険といい、介護保険といい、会社が折半してくれるのは助かりますねぇ〜。
年収400万円の40歳以上のサラリーマンを想定すると
「400万円×0.79%=31,600円」
となり、年間約3万円が介護保険料として天引きされます。
③厚生年金
厚生年金の保険利率は一律で17.828%です。
これも同様に会社と折半するので実質負担は8.914%となります。
会社の力、恐るべしっすね。。
厚生年金の保険料は
「400万円×8.914%=356,560円」
となり、年間約35万円天引きされます。
④雇用保険
雇用保険料は、事業によって異なります。
サラリーマンの場合、一般の事業にあたるので、事業主が給与の0.0085%、労働者が給与の0.005%を負担します。
雇用保険料は標準報酬月額ではなく、賃金総額(ボーナスや、通勤、深夜手当を含む)に利率をかけます。
今回の場合は、「400万円×0.005%=20,000円」
年間で2万円の負担となります。
⑤労災保険
労災保険は、会社が全額負担してくれます。そのため、個人の給料からは天引きされていません。
全額っすかぁ〜!うらやましいっすね〜。
保険料の総額
これら5つの保険料の合計607,560円です。
社会保険料は年間約61万円が天引きされています。
注意点としては残業などで毎月の給与は変動しますし、月給以外のボーナスなどもあるので、多少の増減はあります。
今回は東京都の協会けんぽを参考にしましたが、組合によっても保険利率は変わってきます。
所得税
さて、所得税では家族や扶養人数により、税額は変わります。
配偶者や扶養しているものがいる場合には、納める税金が少なくなるんです。
では、課税対象となる金額の計算方法を見ていきましょう。
課税所得の計算方法
所得税は課税対象となる金額( 課税所得 )に利率をかけて求めます。
課税所得の求め方は以下の通りです。
か、かなりややこしいっすね〜。
では、1つずつ説明していきましょう。
控除①給与所得控除
給与所得控除は、雇われている人たちが無条件に受けられる控除です。
この控除も所得によって異なるので、下記図でいくら控除されるのかをご確認ください。
具体例(給与所得控除)
年収400万円を想定すると、
「400万円×20%+54万円=134万円 (=給与所得控除額)」となります。
ってことは、134万円が給与所得控除になるってことっすね〜!
そのため、課税対象額は「400万円-134万円(控除分)=266万円」で266万円が課税対象となります。
控除②その他の所得控除
その他の所得控除ってなんすか〜??
その他の所得控除とは、大きく5種類あります。
社会保険料 、社会保険料はそのまま全額控除となります。
生命保険料 、年間8万円以上の一般生命保険料・介護医療保険料・個人年金保険料を払っている場合は、一律4万円が控除されます。
基礎控除 、扶養家族がいない独身世帯であっても一律で38万円控除を受けられます。
配偶者控除 、配偶者が年収103万円以下であれば、38万円の控除を受けられます。(2018年からは、配偶者控除制度が改正されます。)
扶養者控除 、扶養している者の年齢が16歳以上の場合38万円、年齢が19歳以上23歳未満の場合に63万円受けることができます。
今回は、「配偶者が1人、16歳以上19歳未満の子供が1人」の場合を想定してみます。
このように考えると、控除額は「社会保険料61万、生命保険4万円、基礎控除38万円、配偶者控除38万円、扶養控除38万円」の179万円となります。
具体例(その他の所得控除)
以上のようにその他の所得控除が求められ、次に給与所得控除後の金額から差し引きます。
266万円-179万円=87万円(課税所得)
ってことは、87万円が課税所得っすか〜?
正解です!いいですね〜。
所得税率の早見表
さて、最後になりましたが、所得税は「課税所得に税率を掛け合わせて出た金額」です。
なるほど〜。課税所得を出して、それに税率をかけるんすね〜。
さて今回は、課税所得87万円で早見表195万円以下に当たるので、税率は5%です。また控除額は0円です。
したがって、87万円×5%=43,500円が所得税となります。
お〜やっと出ましたね〜。長かったっすね〜。
年収400万円は年間43.500円が所得税なんっすね〜!
住民税
住民税の計算方法
住民税の計算方法は以下のようになっています。
調整控除額?これはなんですか?
住民税の計算の際に使います。
簡単に言ってしまうと、所得税と住民税の間に存在する控除額の差を無くすための控除です。
住民税計算の具体例
先ほどの所得税と同様、年収400万円を想定してみましょう。課税所得は87万円です。
配偶者とお子さんがいると仮定します。
例えば、東京都の新宿に住んでいたとすると、新宿区の均等割はそれぞれ都民税1500円。特別区民税3500円になります。
都道府県民税か市区町村民税は以下のようになります。
調整控除の計算方法
続いて、調製控除の計算方法をご紹介します。
先ほどもお伝えしましたが、調整控除は所得税と住民税の間の控除額の差を無くすための控除です。
で、どうやって計算するんすか〜?
課税対象額が200万円以上と以下によって2つの方法があります。
計算方法は以下の通りです。
先ほどと同様、年収400万円、主婦1人、16歳以上19歳未満の子どもが1人いる方を想定してみます。
課税所得が87万円なので、200万円以下の控除計算方法となります。
住民税の控除額は、以下の社会保険料控除「61万円」、配偶者控除「33万」、扶養控除「33万円」、基礎控除「33万円」となり合計は160万円になります。
1は435,000円-1,600,000円=0円。
2は43,200-1,600,000=0円
調整控除額が2,500円未満なので、調整控除額はなしとなります。
まとめ
日本の税金と社会保険料の制度って複雑でいろんなものが引かれるんですね…
消費税や個人保険の保険料などを支払えば、さらに手取りは減る計算になります。
これらの税金や保険料を少なくするためには、
以下のような記事で控除をうまく利用したり、無駄な保険に加入していないかの再確認をしていくことが必要でしょう。
・「サラリーマン向け!確定申告における4つの控除ポイント」
・「生命保険の必要性!タイプ別の見直し方
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