2017/12/27
分散投資とは?その効果を図解でわかりやすく解説!
リスクを減らす方法として近年注目を浴びている、分散投資。
みなさんはどんな割合で分散投資をしたらどのような効果があるのか、具体的に知りたい人が多いでしょう。
今回は、「そもそも分散投資とは」「どんな効果が得られるのか」「具体的な投資先」まで初心者にもわかりやすくお伝えします。
この記事を通して、日本での投資に対する「あたりまえ」の危険性や、分散投資の考え方も学べる内容になっています。
目次
分散投資の必要性とは
日本の現状
日本銀行の資料によると、日本の家庭の金融資産は、約80%を現金・預金と保険・年金準備金が占めています。
現金で保有って当たり前じゃないの?
アメリカでは約45%しかありません。日本人は預金や保険、年金に偏っているわけですよ。
ほんと日本人って、安全志向よね~。
確かに、一見すると安全な資産運用をしているように見えます。しかし、日本人の運用方法はリスクが高いと言えます。
現金・銀行預金のリスク
①貨幣の価値が下がるリスク
現金と銀行預金ってリスクあるの?
実は現金・預金にもリスクはあるんです。
そう言われても、イメージがわかないわね、、
一言でいうと、インフレ時に、貨幣の価値が下がってしまうことです。
インフレ時に貨幣の価値が下がる?
詳しくは「なぜ日銀は物価上昇率2パーセント目標?日本にどんな影響?」を見てみて下さい。
②運用益がでない
2つ目に、現金・預金は保有していても運用益が出るわけではありません。
そのため、効率的な資産形成ができないというリスクも同時に存在しています。
効率的な資産運用ができない…?銀行預金で貯金すればいいじゃないの!
銀行預金は貯金の手段として非常に優れていますが、それだけだと「投資をしないリスク」があります。
詳しくはこちらの記事に目を通しておくといいでしょう。
「投資のリスクとは?リスクの意味と正しい付き合い方」
確かに、元本割れしないという意味では安全に感じるかもしれません。
しかし、時間という最強の見方を持っていながら、お金に働いてもらわないのはもったいないです。
じゃあ、どうすれば良いのよ?
そのためにご紹介したい方法の1つが「分散投資」です。
金融資産や実物資産に分散して投資すれば、
リスクを軽減しつつ資産を形成することが可能になるんですよ。
分散投資の3つの効果とは
①投資対象の分散
まず分散投資の効果は大きく分けて3つあります。
3つもあるなんて怪しいわ〜。
詳しく教えなさいよ!
はい。まず一つ目は投資対象を分散できるということです。
これが一般的に考えられている効果ですね。
例を挙げると、A社株式、B社株式、外国株式、不動産の5つに25%ずつ資産を分ける場合を考えるとわかりやすいでしょう。
なるほどね〜!
危険な金融商品に集中投資すると危険だということがわかるわね。。
そうですね。ただ分散するだけでなく、リスクの大小や割合も考えられるといいですね。
そちらについては詳しく後ほど説明します。
②投資先地域・投資通貨の分散
次に挙げられるのが、投資先の地域や通貨を分散できる効果です。
投資先の地域?いったい何が関係するのよ?
ほとんどすべての金融商品に存在するカントリーリスクをご存知でしょうか?
その国の政治・経済情勢によって、金融商品の価値が変動するリスクです。
そうなんです。通貨も非常にその地域のカントリーリスクの影響を受けやすいです。
また、通貨の価格変動リスクも分散投資によって抑えることが可能といえます。
③投資時間の分散
3つ目に挙げられるのが、投資時間を分散させることができるという効果です。
時間を分散?どんなメリットがあるのよ?
早めに投資をすることが大切って聞きたんだけど…
もちろん投資を早めに始めることは「時間を味方につけること」でもあるので大切なことです。
ここでいう時間の分散とは「投資するタイミングを分散すること」なんです。
ん〜、まだいまいちよくわかんないわ〜。
ドルコスト平均法の積立投資
積立投資!?もちろん知っているけど、どう時間を分散しているの?
積立投資とは、一定期間で定期的に一定額を積立ながら運用していく投資方法です。
ここでは投資信託の積立投資を例に説明しましょう。
下の図は投資信託で毎月10,000円を積立投資した時のイメージです。
投資信託の価格は金利や為替、物価などに影響を受け、1口100円から変動していきます。
平均すると1口あたり86円なのね…。。
②と③のタイミングで購入するのが、適切だったってこと?
もちろん②や③のタイミングであれば一番得をしますが、その考え方は間違いです。
②や③のタイミングで「その時が一番お得」とはわからないんです。
たしかにそうだわ!
じゃ、安い価格の時にいっぱい買うことで平均で安く買うことができてるってことかしら?
フクミさん、その通りです。
これも定期的に投資をするという時間を分散することで得られる効果なんです。
そういうことなのね〜!意外に簡単ね!
そうですね。こちらは外貨を扱う金融商品の価格変動リスクの低下にも効果的です。
分散投資の割合:適切なポートフォリオ
分散投資のメリットやリスクを低下させる効果はわかったけど、具体的にどうやって分散すればいいの?
いい質問ですね。
しかし、結論からいうと「適切なポートフォリオは一人ひとり違う」というのが答えになります。
ぽ、ぽーとふぉりお…ねぇ。。
わかってるわよ!
私が知りたいのは、一般的にどうなのかってことよ!
わかりました。基本的には「投資資金」「投資期間」「必要資金」の3つを軸にポートフォリオを組んでいきます
そこからどうやって組んでいくの?
投資期間中で必要資金が集まるように、リスクのある金融商品を取捨選択する必要があります。
そのためには、まず金融商品をリスク別で把握することが大切でしょう。
金融商品をリスク別で分類
金融商品をリスク別で把握するって難しいわね。。
そうですね。ここではわかりやすいようにサッカーに例えてご説明します。
超低リスク:ゴールキーパー(GK)
いいわね!銀行預金はもちろん低リスクだからディフェンス(DF)よね?
銀行預金は、資産運用という視点からだと運用益がほぼないためゴールキーパー(GK)になります。
えーっ!私のチームはまだキーパーしかいないってことになるわよ!!
ローリスク:ディフェンス(DF)
そ、そうなのね…。他はどうなの?
ローリスクなディフェンスは債券になります。銀行預金より利率が高く、国債であれば基本的に債務不履行の心配はありません。
潰れそうな会社の債券の場合は利率は高いことが多いですが、危険なのでやめましょう。
詳しくはこちらをご覧ください。
「国債とは?債券とは何が違う?」
そうなのね。債券って聞いたことはあるけど、いざとなると選択肢から漏れてしまいがちよね。
ミドルリスク:ミットフィルダー(MF)
このあたりが私のズバリ資産運用というイメージだわ!
ただリスクは大きくなっているわね。
そうですね。
それぞれの仕組みやリスクを把握した上で、どのようにしてリスクを抑えていけばいいのかという対策をしていく必要がありそうですね。
ハイリスク:フォワード(FW)
いよいよハイリスクなフォワードの登場ね。
そうですね。ここにも複数の金融商品が対象になりますが、外国株や小型株が対象になります。
小型株が危ないってのは意外ね。なんでなの?
大きな理由としては小型株は大型株に比べて値動きが激しいことが挙げられます。
その他にも1つの事業で業績が悪化した時のリスクが大きいことなどがあるでしょう。
適切なポートフォリオ
そうなのね〜。
それぞれのリスク別の分類はだいたいわかったけど、どんな配分をすればいいのかしら?
先ほど述べたように、「投資資金」「投資期間」「必要資金」の3つによるのですが、
バランスとしては、3(DF):5(MF):2(FW)が適切です。
そうなのね。これを一つの指標にしてポートフォリを組むということね。
そうですね。あまりリスクを許容できない人はハイリスクの金融商品を少なくし、ミドルリスクの金融商品を多めまでにする方法や、ハイリスクの金融商品でもリスクを抑える対策を施すことなどが挙げられます。
そこまでなると、専門的な知識が必要になってきそうだわ。
そうですね。時には専門的な知識や経験を借りることも間違いを犯さないためには重要になってきます。
ただ何より大きな力になるのは投資期間で、長ければ長いほど時間を見方にでき、大きなリスクを取らずに済むことができます。
そのため、スタートはなるべく早いタイミングが良いということになります。
なるほどね。納得したわ〜。
金融資産の投資先
いろんなタイプの資産に分散して投資すればリスクを低く抑えることができるのね。
でも、金融資産と実物資産にはどういった種類があるのか全くわからないわ。
では、まず金融資産と実物資産のうちの、金融資産からご説明しますね。
金融資産は大きく分けて4つあり、上のようになっています。下にいくほどに、ハイリスク・ハイリターンになります。
「現金・預金」
しかし、 先ほど言ったように現金・預金で保有していても資産は増えず、加えてインフレ時には価値が下がるリスクもあります。
預金は、現状維持ってことね。
資産を増やしたり、インフレに備えるためには、預金ではなくて資産運用が必要ってことよね。
「債券(国債・社債)」
社債と株式って何が違うの?
社債は、一般的に会社にお金を貸すということなので、基本的に会社はお金を返さなければいけません。
一方、株式はお金を返す必要がないので、その分リスクが上がります。
そういう違いがあるのね。
じゃあ、国債と社債ってどう違うの?
国債は国が発行している債券で、社債は法人が発行している債券です。
あとは何か知っておくべきことってある?
リスクについては、国債は特にリスクが低いとされていますが、その分社債よりも利回りが低くなります。
なるほどね。貰えるお金は少ないけど、その分リスクは低いのね。安全思考の投資ができそうな感じね。
「株式」
企業からすれば社債と目的は、ほとんど一緒なのね。
そうですね。ただ、株式で調達したお金は、会社の自己資本となります。
そのため、株式は元本割れのリスクが高まります。
資産運用するならやっぱ株のイメージが強いわよね~。
やっぱ株はやっておいたほうがいいのかしら?
株式は、企業の業績や経済全体の動向により大きく価格変動するため、リスクも相応です。
経済に詳しい人なら、いいかもしれませんが、初心者にはあまりオススメしないです。
なるほど、難しいのね。
「外国通貨」
ドルなどの外国通貨も資産の一つです。ハイリスク・ハイリターンな金融商品ですね。
どういう点が?
外国通貨の交換レートは大幅に変動することがあるため、時には莫大な資産を形成になりますが、
リスクも非常に高いものとなっています。
資産運用の注意点
確か、円高の時によく勧められるやつよね~。
預金は減らせないし、株は買っておくべきか迷うし……、よくわからない。
注意点は、余裕のあるお金で行うことです。
それはそうよね。生活できなくなっちゃったら元も子もないものね。
そうですね。だから、1〜2年の間に必要となるかもしれないお金は預金として残しておくべきしょう。
そうよね。もう少し余裕がでてきてから考えようかしら。
それも一つです。
リスクより利益を優先したいとすれば、株式・外国為替の比率を高くしたり、
利益が少なくてもリスクを絶対取りたくない方は、流動資産(現金や預金)の比率を高く設定するといいでしょう。
無理をせずに自分に合わせてってことね。
実物資産の投資先
「不動産」
では次に実物資産について説明しますね。実物資産として代表的なものに、「不動産」「金」があります。
不動産投資のメリットは?
賃料が景気変動に左右されにくいため、株に比べ収益が安定しているのがメリットです。
また、実物資産であるため、インフレが起きても価値の下落がないことです。
いいことだらけだけど、リスクもあるんでしょ?
はい。賃貸に出しても借り手が見つからない空室リスクや、地震などによる災害リスクなどがあります。
ただ、これらはきちんと対策ができるリスクではあります。
それはいいわね。でも不動産投資ってお金持ちしかできないイメージあるなあ。
不動産投資ローンという専用のローンもあるので、数十万の初期費用で始められるものもありますよ。
そうだったの!?意外だわ〜。
そうです。詳しくは「不動産投資の初期費用!80万円で1500万円の投資⁉︎」をご一読ください。
思ってたよりは初期費用を抑えられるのね。
「金」
文字通り、「金」に投資するのが「金投資」です。
「金」を買うのね。でもそれがどうして投資になるのよ。「金」は別に収益を生むようなものじゃないでしょ?
確かに「金」は収益を生むような資産ではありません。そう言った意味では現金・預金に近い性格を持っています。
しかし、現金・預金と決定的に違うのが、「金」は「実物資産」であるといった特徴です。実物資産であるため、金はインフレには強いんです。
収益を得るような資産じゃなくてあくまでリスクヘッジのための資産ってことかしら。
まさにそうです。「金」は安全資産なので、世界的な株安や事件の際に価格が上昇する傾向があります。
なるほどね。じゃあ、株が安くなっちゃっても、金が高くなってリスクを減らせるってことね。
えぇ、その通りです。
でも、これにもデメリットもあるんでしょ?
そうですね。「金」を現物保有する場合だと盗難に遭うリスクがあります。
また、購入する時の手数料が高いのもネックですね。
ちょっとハードル高そうね。
まとめ
資産運用にはリスクがつきものですが、複数の資産を組み合わせて投資すればリスクを軽減することができるんです。
どこに投資するかは人によって違うのよね?
そうです。分散先のベストな組合せは資産状況やリスク許容度によって異なります。
そんなの私一人では決められないわ〜。
そうね、早いとこ相談してみようかしら。
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